歴史
三別抄の指導者の一人である金通精は現在の朝鮮では民族的な英雄とされているが、一方で一般民衆に対しても
掠奪を行い、それが原因で民衆からの支持を失った。
以下の伝承も当時の民衆の感情に由来する……のかな。
ある寡婦が蚯蚓と契り男の子を生んだ。赤ん坊は全身鱗に包まれ、腋の下には小さな翼が生えていた。
成長すると弓術に長け、空を飛翔しながら道術を使うようになった。
三別抄の将軍となり、済州のハンバドゥリに立てこもり海上王国を建てたが、鳥と蚊に化けた高麗軍の軍師によって
鱗の間に剣を刺し込まれ息絶えた。
妻も殺されたが、お腹の中には金通精将軍の子である九羽の鷹の雛がいたという。
(勉誠出版刊 アジア遊学No.71『アジアの怪』9ページより抜粋)